2026年03月06日 公開

成長産業として注目を集めるドローン業界や宇宙業界において、女性たちの挑戦を力強く後押ししている株式会社Kanatta代表取締役社長・井口恵さん。起業に至った背景や、コミュニティづくりを通じて思い描く未来について、井口さんに話を伺った。
(写真:吉田和本 取材・文:Voice編集部(田口佳歩))
※本稿は『Voice』(2026年3月号)「令和の撫子」より抜粋、編集したものです。
ドローン業界や宇宙業界で、女性向けのコミュニティ「ドローンジョプラス」「コスモ女子」を運営するほか、エンジニアのマッチングサービスを手がける、株式会社Kanatta代表取締役社長の井口恵さん。コミュニティでは、業界で活躍する講師による勉強会やイベントを開催。参加者が各業界に就職する事例も増えている。また2024年には、「コスモ女子」に所属するメンバーが、未経験ながら人工衛星の打ち上げに成功したことも話題を呼んだ。
起業の背景には、会社員時代に抱いた問題意識があった。
「最初は公認会計士として、深夜までハードに働いていました。しかし30代、40代になって家庭をもってからも同様の働き方を続けるのは難しいと感じ、ファッション業界に転職しました。働きやすくなった一方で、女性社員が8割を占めるのに対して、役員は男性ばかり。起業して、ジェンダーギャップの解消をめざしたいと思いました」(井口さん)
ちょうどそのころ、首相官邸の屋上でドローンが見つかるという事件(2015年4月)が発生した。これをきっかけに井口さんはドローンに興味をもち、ドローンが成長分野である一方、男性ばかりの業界であることも同時に知った。歪な構造を変えようと、初心者向けの勉強会などを行なう女性限定のコミュニティを設立。しかし、ドローンやドローン活用も進む宇宙産業について一から学ぶのは簡単なことではなかった。
「ある教授に『こんなことも知らないのか』と怒られたこともあります(苦笑)。でもそれ以上に、『成長産業に女性が少ないのはもったいない』という強い思いでここまでやってきました」(同)
最後に目標を聞くと、明確な答えが返ってきた。
「『仲間と一緒にステージアップし続ける』という目標があります。それを通して、誰かのロールモデルになれたらとても嬉しいですね」(同)
【井口恵(いぐち・めぐみ)】
2010年横浜国立大学経営学部卒。監査法人やファッション業界での経験を経て、2016年に株式会社Kanattaを創業。「ジェンダー平等の実現に貢献する」ことをミッションに、男性主体のドローン業界および宇宙業界で、「ドローンジョプラス」「コスモ女子」の2つの女性コミュニティを運営し、女性の活躍の場を提供している。FORBES JAPAN WOMEN AWARD 2024でパイオニア賞を受賞。
更新:03月09日 00:05