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withコロナで業態は変えるべき? ビッグデータは「都心から郊外へ」を示した

2021年03月22日 公開
2022年02月22日 更新

安宅和人(慶應義塾大学環境情報学部教授・ヤフー株式会社CSO)

開疎化

COVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックから1年以上が経った。慶應義塾大学環境情報学部教授でヤフー株式会社CSOの安宅和人氏はかねてより、三密とは対極の概念である「開疎化(開放×疎)」を訴えている。引き続き「withコロナ」の状況に置かれるなか、ビジネスパーソンが実践すべき方策とは。

※本稿は『Voice』2021年4月号より一部抜粋・編集したものです。

 

ビッグデータが映す「都心から郊外へ」

数理・データリテラシーが高まれば、マクロなトレンドまで確認できるようになる。たとえば僕はかねてより、「withコロナ」状況下では、空間の開放性を上げ、なおかつ疎にする「開疎化」に向かう力が強く生まれるだろうと訴えてきた。

Yahoo!JAPANが2020年12月23日に公開したレポート「住みたい街は本当に都心から郊外へ? 新型コロナがもたらした変化をビッグデータで検証」(対象期間:2020年4月1日~11月1日)がある。

ここでは検索データを空間的、時間的に対比した結果、関東、関西ともに都心ほど物件の検索数がじわじわと減少し、郊外のそれは上昇傾向にあること、また、海や山といった自然が溢れる場所への関心が増加傾向にあることを示している。

調査の対象期間がCOVID-19の感染拡大後である事実に鑑みれば、自粛などの経験が、自然に近い環境を求める傾向に影響を与えたと推測される。

さらにレポートを読み進めていくと、2019年から2020年にかけて、「縁側のある家」「中庭のある家」「吹き抜け」など明らかに「開疎」空間を志向した検索ワードが大きく上昇している。「開疎化」はたんなるイデアではなく実際の現象だったということだ。

ちなみに検索ログは、センサーやサービスの利用から生まれる世の中の大半のログデータ(ビッグデータ)と異なり、人びとの主体的な検索行動から生まれ、人間の関心をストレートに表し、実消費に直結している稀なデータだ。

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