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オードリー・タン「ひまわり学生運動は大災害級のうねりだった」

2020年12月30日 公開
2022年07月01日 更新

オードリー・タン(台湾デジタル担当大臣)

 

日本にも見られるシビックテックの機運

――社会運動に取り組む創造力が、日本と台湾との決定的な違いでしょうか。

【タン】日本のコロナ対策においても、クリエイティブな動きはみられましたよ。たとえば一般社団法人コードフォージャパンはシビックテック(市民自身がテクノロジーを活用して社会課題を解決する取り組み)の働きをみせており、同社代表理事のハル・セキさん(関治之氏)は、2020年11月に日本政府CIO補佐官に着任しています。

時を遡れば、メッセージアプリのLINEだって、2011年3月の東日本大震災をきっかけに生まれたツールです。日本は、大災害時の社会的な連帯のなかで新たな仕組みをつくってきました。台湾のひまわり運動はまさしく「大災害級のうねり」だったために、あらゆる社会的な紐帯を連結させたといえます。

日本では、これまで社会が連帯してクリエイティビティを発揮してきたのが、政治的な民主システムという場所ではなかっただけでしょう。もし民主主義という箱を皆で叩いて開け、力を合わせてより良くできるものがあれば、日本も台湾も違いはないのです。

ハル・セキさんのように市民社会と政府のあいだに立つ人が増えるほど、「民主システムは一つの密室ではない、自分たちで変えられるものなのだ」と皆が思えるでしょう。

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