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加賀市長が語る、加賀と台湾の知られざる“絆”

2020年03月16日 公開
2021年08月17日 更新

宮元陸(石川県加賀市長)

人間として深みのあるデジタル人材を育成する

――加賀に興味をもち、現地を訪れた観光客には、どのようなフォローを講じていますか。

【宮元】1つは受け入れ体制の拡充です。具体的にはWi-Fiの設備や多言語への対応です。

しかし、現状はまだ十分に体制が整っているとは言えない。最近は自動翻訳機も登場しているようですが、いざというときは対面の案内が必要になるため、英語が話せる人材の確保が急務です。

もう1つは二次交通の整備です。公共交通機関ではアクセスしにくい場所に行くときや、万一、交通機関が麻痺したとき、別の手段が必要になるでしょう。

タクシーを利用するにしても、コストがかかるし、場所によっては捕まえられないこともある。そこでいまわれわれが注目しているのが、「マース(MaaS=Mobility as aService)」です。

――異なる交通機関を乗り継いで利用する場合でも、スマホで一括して最適な交通手段の検索、予約、決済まで行なうことができるサービスですね。

【宮元】マースは電子決済とも絡んできますから、加賀が得意なデジタルと連携しつつ、早急にその仕組みをつくっていきたいと思います。

――宮元市長はつねにスピード感を重視して施策を行なっている印象を受けました。

【宮元】デジタル化の時代は、そうでないとたちまち取り残されてしまいます。つねに最新情報をキャッチアップし、行動に移す必要がある。

とはいえ、加賀特有の伝統を疎かにするつもりはありません。加賀市では毎年、正月三が日に能の謡い初めを行なっていますが、江戸時代から現在まで継続しているのは全国で加賀だけです。

伝統を継承することで先人の偉業に思いを馳せ、精神的な支柱を形成していく。いくらデジタル化が進んでも、この根幹を揺るがせてはいけません。

これからも加賀市では、人間として深みのあるデジタル人材を育成していくつもりです。

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