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竹田恒泰「日本に一党独裁や専制君主は適さない」

2019年03月26日 公開
2022年10月27日 更新

竹田恒泰(作家/慶應義塾大学講師)

竹田恒泰
 

<<旧皇族・竹田家に生まれ明治天皇の玄孫に当たる竹田恒泰氏は、「実は日本こそ、現存する最古の民主国なのである」と主張する。

竹田氏の近著『日本の民主主義はなぜ世界一長く続いているのか』では、フランス、アメリカ、イギリス、古代ギリシャと日本を比較して、「日本型民主主義」の素晴らしさを竹田節満載で語っている。

本稿では同書より日本型と西洋型のそれぞれの民主主義の違いを指摘し、古くから日本には民主主義が存在したことを語る一節をここで紹介する。>>

※本稿は竹田恒泰著『日本の民主主義はなぜ世界一長く続いているのか』(PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。
 

世界の民主主義が露呈した「危うさ」

「日本の民主主義がおかしい」
これは多くの人が感じていることだと思う。

近年「国会空転」という言葉がよく使われるが、意味のない議論に終始する「空転」どころか、野党が揃って国会を長期間ボイコットする事件もあった。

国際社会が大きく変動するなか、日本の国会は課せられた責務を誠実に全うしていない。一日当たりの国会の運営費は約三億円。政党助成金も含めると一日四億円が費やされる。

国事多難にもかかわらず、国費だけを徒に浪費する今の国会の姿に眉を顰める人が多いのは当然である。

そして、世界に目を向ければ、米国のトランプ大統領の誕生や、英国が国民投票を経てEUからの離脱(ブレクジット)を決定したことなど、民主主義の危うさが露呈した事例も多く見受けられる。

これはトランプ大統領の政策の良し悪しや、ブレクジットの良し悪しの問題ではない。

国論を二分した結果、投票において僅差でいずれかが勝利すると、二つに分断された民衆は、お互い憎しみ合い、それがいつまでも続くことが問題なのである。

そして民主主義を実施するうえで最も悩ましいことは、多数派が常に正しいとは限らないことではなかろうか。多数派の意見が常に正しいのなら、選挙と国民投票により常に正しい結論が得られる。

しかし実際は、かつての民主党政権が「黒歴史」と呼ばれるように、多数派が正しい保証はどこにもないのである。

 

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日本人は高度な民主主義を実現できる可能性を秘めている >

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