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「気づいた時にはもう遅い」大投資家ジム・ロジャーズが予見する金融危機

2019年01月16日 公開
2023年01月11日 更新

ジム・ロジャーズ(訳:大野和基)

ジム・ロジャーズ

向こう10年、米ドルは上げ相場を続ける

株式市場とは対称的に、今後10年の間で、米ドルは人民元に対して、かなり上がるだろう。人民元だけでなく、ほとんどすべての他通貨に対して上がることになる。

社会的な混乱が起きている時、人は安全な避難先を探すものだ。歴史的に見て、世界で唯一の「安全な避難先」は米ドルだ。はるか昔はそれがイギリスのポンドだったが、それがいまは米ドルになっている。経済が悪化すればするほど、ドル買いをする人はますます増える。

他の通貨が米ドルに取って代わるとすれば、私が思いつくのは唯一、人民元である。ユーロは崩壊するかもしれない、というよりも間違いなく崩壊するだろうし、イギリスポンドはすでに壊滅的だ。スイスフランは規模が小さい。円はあり得ない。唯一、米ドルの対抗馬となりうるのが中国元なのだ。

アメリカ財務省は長らく、中国を「為替操作国」の監査対象にしている。中国は為替レートを作為的にコントロールしているという疑惑があり、このせいでドルの価格が上がっているというのだ。

現在、外交問題も絡んで為替操作国認定は二転三転しているが、いつの日か人民元が米ドルを凌駕する時が来るかもしれない。

それにはもちろん、管理通貨であることから脱却しなくてはならないが。元はいまのところ売買ができないので、このままでは基軸通貨になることは夢のまた夢だ。

私が持っているアメリカ株は非常に少ないが、アメリカの株式市場は2018年末の時点で、ほぼ史上最高値に近い値を記録している。

対して中国株は最高値をつけた2015年から60%落ちている。私としては、最高値の株よりも60%落ちている株を買いたい。いま下がっている方が、今後上がる可能性が高いからだ。

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