2019年02月04日 公開
2019年03月01日 更新
介護分野だけでなく、社会の広い範囲でテックを実装していくためには、日本社会全体でその必要性を認識しなければいけません。僕はあくまで作り手で、研究者で、作家で、起業家ですが、それを語るコミュニケーションは不可欠だと考えています。
だからこそ、各世代が日常的に接するメディアに合わせた形で、僕は自分の主張を発信し続けているのです。作り続ける、そして発信すべきことがあるから常にメディアのチャンネルを持つことが大切だと僕は考えています。
いま、空気が停滞して閉塞した日本社会で突破口を開くのは、やはりフットワークが軽くて考えが柔軟な若い世代でしょう。
彼らが多くのソリューションを生み出し、それを大人世代が先入観にとらわれずに受け入れていくことで、ポスト工業社会に転換する日本の再興は成る――。そう僕は信じています。
幸いなことに、いまの学生は起業家マインド(精神)が旺盛な人が多い。面白い仕事ができるのであれば、会社の規模にこだわらずにやっていこうという意識があります。
そのような若手を積極的に活用していくことで、われわれはテックと融合した社会のモデルを築いていくべきだと僕は信じています。
僕はべき論はあまり好きではないのですが、技術と融合した環境の構築は必要だと思っています。これはテックが下支えになることで多様な価値観を作ることができる前提を整えるということです。
2040年には、中国の人口は減少局面に突入するといわれており、いずれ他の国々も日本と同じような人口減少の道をたどることになるでしょう。
もし、現在の日本が少子高齢化という課題を他国に先んじて解決できれば、それはとてもユニークでオリジナリティにあふれたソリューションになるはずです。
また、それを海外に輸出することで外貨を稼ぐことも考えられます。
つまり、他国が高齢化に差し掛かり、ある程度の人口規模があるゆえに課題解決策を求められた今の時期こそ、日本がもう一度、国際的な競争力を取り戻すチャンスなのです。
現在、先進国のなかでいちばん厳しい人口減少に直面しているわれわれが、どうやってこの問題を解決していくのか。そこに日本の未来が懸かっています。そのためにテクノロジーを用いた下支えによる多様な価値観の揺籃が必要だと思っています。
更新:11月24日 00:05