Voice » 【長濱ねる】遠藤周作『沈黙』の思い出
2018年10月11日 公開
2022年06月08日 更新
写真:吉田和本
<<人気アイドルグループ・欅坂46のメンバーで、ソロ写真集『ここから』(講談社)が累計19万部の大ヒットを記録するなど、目覚ましい活躍を見せている長濱ねるさん。そんな長濱さんにはグループ一の「読書好き」という一面がある。いま、もっとも注目を集める人気アイドルが語る読書論とは――。(聞き手:編集部)>>
――先日、来年2月6日に放送されるドラマ「かんざらしに恋して」(NHK BSプレミアム)への出演を発表されました。これまでいくつかのテレビドラマを経験されていますが、女優としての活動にも関心があるのでしょうか。
長濱 お芝居にはとても興味がありますし、これからもっと勉強をして、チャレンジしていきたいと考えています。今回の本についてもそうですが、自分の興味・関心がお仕事につながるのはとても嬉しいです。
――同ドラマの舞台である長崎は長濱さんの故郷。今年からは長崎市観光大使も務めていますね。
長濱 私が育ったのは五島(列島)の小さな島で、その後に市内に移るなど上京するまでは長崎県で過ごしました。ドラマのタイトルにある「かんざらし」は島原の名産品で、私も大好きなお菓子なんです。
――五島列島といえば、今年7月に一部の遺跡が「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産に登録されました。また、2年前には同地を舞台とする遠藤周作の代表作『沈黙』(新潮文庫)がハリウッドで映画化されたことでも話題となりました。
長濱 『沈黙』は、私がとても好きな小説の1つです。3年ほど前のことですが、大晦日に『沈黙』を読みふけっていたら、いつの間にか年が明けていたこともあるほどです。江戸時代にキリシタン弾圧から逃れるポルトガル人司祭のお話なので、新年早々暗い気分になってしまって……。
私が育った島でも、よく遊んでいた岩場にポツンと十字架が立てられているなど、隠れキリシタンが生きていた「証」が残っていました。
当時はあまり気に留めていなかったのですが、『沈黙』を読んだときにそうした記憶が自然と呼び起こされたんです。あらためて五島の史跡を訪ねて回り、歴史を学びたいと思いました。
更新:11月15日 00:05