2018年04月20日 公開
2018年04月22日 更新
白河 それはひどくないですか。今まで聞いた一番ひどいセリフは?
小関 私じゃないですけど、2人目の産休に入る女性が、「次は、腹の中、空っぽにして帰ってこいよ」って言われましたから。
佐藤 うちは、ある部署で妊娠が続いたときに「同時多発テロ」って言っていました。「同時多発テロを何とか乗り切りました」って。女性が妊娠することは一過性のものだと思っている。今はラッシュだけど、そのうちに収まるよって。
小関 テレビ局の制作部門は、若い女の子が行っても、いじめ抜かれているようなところがあります。「子宮を取れ」と言われたりね。悪気はないんだろうけど、「子ども産んだら終わりですよね」と言われたりとか。
佐藤 家族観は変革期にありますけど、私たちより若い年代の男性でも、家事育児を率先して実行しているのは1割弱じゃないでしょうか。理解は示すけど実行に移せない人が1、2割。あとの大半は「奥さんが働きたいなら、どうぞ。でも、僕は仕事はセーブしません」という感じです。
山口 私たちより若い人は結婚したらどんどん辞めていくんじゃないですか。
白河 大量退職する時代が来るかもしれませんね。今はネットなど、働きやすいメディアに女性記者が流出しています。
青木 無理しているのってワーママだけじゃなくて、それを管理しなきゃいけない管理職も、24時間がんばるマンの若手も、みんなすごく無理をしている。
佐藤 上が何も考えていないから、そのしわ寄せが現場のがんばるマンに行っちゃう。その不平不満の解消を当事者間でやっている。トラブルになったとき、時短を取っている人を動かして解決、みたいなのもあります。
山口 うちは今、人を減らされているので、本当に人がいなくてみんなが無理している。だから、「働き方改革」は響くんじゃないかと思う。
小関 個人個人には響いていると思うんですよ。
山口 響いている人が増えれば、少しずつ、変わるんじゃないかと思います。
青木 「女性三割」とはよく言ったもんで、女性が三割いるかいないかで全然違う。うちの部は、女性が多いから「すみません。お先に失礼します」って定時に帰るのは何の遠慮もいらない。「今日子どもが熱を出したんで、直帰します」って言える。だけど、他の部に行くと言えないんですよ。男だらけの職場に行った途端に口に出して言えなくなってしまう。
山口 幹部職候補の、たとえば政治部の人たちが「17時に帰ります」とか、「子どもが熱を出したので休みます」とやらないと、変わらないね。
小関 海外メディアは女性記者が多く日本のメディアとはあり方が全然違うと聞きます。一社じゃできないけど、メディアが一斉に変えたら少しはましになると思うんですけど。
青木 でも、残念ながら、「多様性がイノベーションを生む」という思考回路まで持ち合わせている人がいないですよね。せいぜい「多様性は認めるべき」くらいの認識にとどまっている。でも報道して世間に訴えることで業界も変わるのではと思っています。
白河 そうですよ。メディアに待機児童のことがもっと大々的に取り上げられていれば、今頃、待機児童問題はすでに解決していたかもしれない。大変だと思いますけど、がんばってくださいね。
更新:11月23日 00:05