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吉本興業の地域振興策『あなたの街に“住みます”プロジェクト』とは?

2011年08月17日 公開
2023年09月15日 更新

茂原純(政策シンクタンクPHP総研コンサルタント)

 来年2012年4月に創業100周年を迎える吉本興業は、「100周年プロジェクト」の一環として「あなたの街に"住みます"プロジェクト」を進めています。内容は、47都道府県にそれぞれ無名の若手芸人と、今春採用したばかりのエリア担当社員をペアで住まわせ、笑いの力で地域貢献を図っていくというもの(47都道府県に配置された芸人一覧 http://search.yoshimoto.co.jp/sumimasu_prf/ )。今回はその具体的な活動について紹介します。

 まず、各地に配置された「住みます芸人」達が記者となり、ご当地のグルメ・スポット・イベントなどを取り上げ、Ustreamやブログで紹介。これらのコンテンツをYNN(よしもと・ネタ・ネットワーク http://www.ynn47.jp )で配信しています。また、一般の市民でも地元ネタを投稿することができ、ネタが採用される毎にポイントが与えられ、年に1度のネタ大賞に選ばれれば特典を得ることができます。

 第二に、市民等から「街や地域を元気にできるプロジェクト企画」を募集し、採用されればよしもとが全面的に支援するというプロジェクトを始めています。7月31日に第1期募集が終わり、第一弾のプロジェクトとして、愛知県犬山市の「日本初?お笑い人力車でご案内!」が8月2日からスタートしました。よしもとのHPによると、「住みます芸人」のサムタイムズが、犬山市の「犬山観光特使見習い」に就任し、名物の「鵜飼い」で船頭をしたり、人力車の車夫になって、お笑いを交えた観光案内を展開するそうです。

 また、その他の応募プロジェクトについても調整中であり、「高校生たちと一緒に、シャッター商店街に活気を取り戻したい」「地元の民話に基づくミュージカルを企画しているので一緒に盛り上げて欲しい」など、主に町おこし、知名度アップ、商品開発、伝統保存をテーマにした案が全国から寄せられています。8月1日より第二期の募集も始まっており、一般のみならず、自治体・企業・団体からの応募も可能です。

 最後に、7月26日より、大阪府のなんばグランド花月前にあるYES・NAMBA広場において、「住みます芸人」達が各地の特産品等をPRする物産展、「47ご当地展~夏のコレクション」を開催しています。沖縄・九州からスタートし、順次各ブロックの名産品をPRしていく予定です(56日間連続開催)。宮古牛など沖縄の食材にこだわって作られた「民宿 夢来人のおかずですよ」や北海道のとうもろこし「ピュアホワイト」をはじめ、各芸人オススメの特産品は次のURLからチェックできます。 http://www.47gotouchi.jp/

 地域のよさを発掘し、どんどんPRしていくという意味では、こうしたプロジェクトは歓迎されるものだと言えるでしょう。ただし、若手芸人が中心の活動なだけに、漫才ですべるのはご愛嬌ですが、地域振興ですべっているようでは困ります。是非、成功させてもらいたいと思います。

(2011年8月15日掲載。*無断転載禁止)
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