2015年12月08日 公開
2016年11月11日 更新
ジャカルタからカンチャナブリ、そしてバンコク、ラノン、ペナンに至る今回の調査旅行は大いなる発見の連続だった。
バンコクで、われわれはバンコクの下町にある豪勢なトロカデロ・ホテルにおける慰安所を描いた文学を発見した。
私は国立公文書館からトロカデロ・ホテルまでタクシーで移動したが、そこは荒れ果て、さび付き、ボロボロになっており、それでも建造物が残っていたが、クモの巣だらけで正面の視野がさえぎられていた。
道路沿いの1階は小さな商店に様変わりし、大部分が宝石類を販売している。西から東まで正面の長さは約100mで、東の端近くにNASAシルバーカンパニーがある。
NASAのすぐ隣には「ジャスミン・マッサージ」店があり、午前9時~深夜12時まで営業している。
2重ドアを通り過ぎ、2階につながる階段を上ると、個室とシャワーが揃い、タイ語と英語で「ここでのセックスお断り!! 」と書かれているではないか!
現実を見ると、70年前にトロカデロにあった慰安所はいまも名残があり、そこには法の縛りが行き届かない快楽の提供人がいるというわけだ。上記の警句があるにもかかわらず、今日ここは売春宿になっている。
中国人と韓国人の売春婦がわざわざタイまで輸送されなければならなかったという説の笑止千万ぶりは、もうここで繰り返すまでもない。われわれが調査を行なったおのおのの場所で似たような結果が出た。たとえば、フィリピンのアンヘレス市だ。1カ所であれほど多くの売春婦が集まっている場所は、世界の他のどこでも見たことがない。
本件の調査で訪れた8カ国目がマレーシアだ。
1941年、真珠湾攻撃の数時間前に、日本軍はマレーシアのコタバルへ侵攻した。敵は英国、英領インド、オーストラリア、そして地元の抵抗勢力だった。コタバルこそ太平洋戦争で初の大規模戦闘だった。
大英帝国の権勢は絶頂に達していた。世界史上最強の帝国である。日本には大英帝国、オランダ、米国、その他に対してすべて同時に戦端を開く大胆さがあった。
すぐさま日本軍はペナンの街路を闊歩した。
ペナンの取材協力者が日本の古い写真を掲げる。
そしてシンガポールが続く。あれから長い年月が過ぎた歴史となり、日本により英国がシンガポールを失った意味がさらに明瞭に見える。
米国流の解釈をすれば、シンガポールを失うのは米国のほぼ全軍が戦死または拘束されたうえでハワイを失うようなものだ。この心理的損失は甚大だった。
この衝撃的な日本の勝利は短命ではあったが、その後のアジア全体の独立に大きな道を開いた。
この70年後に、われわれのチームは日本が20万から40万人の「性奴隷」を拉致し、ペナンのような場所に送り込んだという告発の真偽を確かめるためにペナン入りした。
韓国人と中国人による反日物語によると、貞節な地元の女の子たちが悪辣な日本軍の侵入によって連行され、海外の「強姦所」で無理やり働かされたという。
これは韓国人と中国人にとっては決して突飛な空想ではない。2015年に、韓国人と中国人は性労働者の人身売買関与を継続しているのである。まさに今年、大規模な売春婦密輸入網がカナダで捕縛された。予想どおりというべきか、逮捕された容疑者は韓国人と中国人であった。売春婦人身売買は韓国と中国の伝統事業である。
『戦時のペナン』において、著者のアンドリュー・バーバーは中国人が管理する慰安婦の実情を次のように描いている。
2015年のペナンで、われわれは現状が日本軍の侵攻があったはるか前、バーバー氏が描いた1914年から大して変わっていないことをたしかに目撃した。
日本人が第2次大戦中に米国人によって受け入れられていた慣習を踏襲したとき、日本人は野蛮と蔑まれた。
2015年に、われわれが地元民と地下世界を見たところ、今日のマレーシアで売春が完全に非合法化されていることを除き、1914年から大した変化はないことがすぐに見て取れた。
売春はいまもペナンで活発なままだ。大部分が公然と行なわれている。少しは覆い隠されている部分もあるが、タクシー運転手がしょっちゅう聞いてくる。「ロシア女ほしいか? 中国人? ベトナム女いいぞ。ロシア、いちばん高い」。毎日、似たような提案が舞い込んでくる。
売春婦は食べ物を買うのと同じように入手できる。路上の売店があり、バーからのお持ち帰りがあり、「レストラン」もデリバリーもある。
なかには目に余る光景もある。女性とレディーボーイはほぼ同じようなかたちで声を掛けてくる。
ベトナム人女性は観光ビザで入国してきて、ビザが切れるまで滞在し、帰国する。外国人にはバーで接触する。
ロシア人女性その他は、一団になって毎晩異なるホテルを動き回っている。4人1組で、ある晩はホテルXに泊まり、翌晩はホテルY、その次の晩はホテルZだ。
この商売にはタクシー運転手、バーテンダー、ホテル従業員その他のネットワークを通じて誘い込まれる。場合によっては、女性は同じホテルに滞在しながら部屋から部屋へ渡り歩くこともある。価格は地元民向けで10ドルから、高級娼婦だと500ドルということもある。
ペナンには、アジア全域の村々出身の工場労働者の膨大な人口が集まっている。大部分は貧しく、若い娘たちは大型アパートに集められて暮らしている。奴隷制に等しい悲惨な話は各国マスコミによって広く報じられている。
多くの娘たちは最大で月300ドル程度の給料を約束されて募集されてくる。往々にしてパスポートは没収され、最終的に手にできるのは月に100ドル程度で、あとは決して返すことができない借金を課せられる。そして娘たちは夜に売春婦となっていく。
一部の娘たちは、家事手伝いを派遣する組織に属して働いている。そして日中はメイド、コック、ベビーシッターなどとして働き、夜に風俗業に従事するのだ。
売春はペナンにおいてあまりにも手広く行なわれており、このネットワークに入り込むのに1年は必要ない。数日間。いや数時間の話だ。ハワイでパイナップルを探すのと同じだ。
法的側面について話すと、イスラム教国家としての体面を維持しながらも、このデタラメぶりによりビジネスは繁盛するばかりである。
一方で、われわれのコンピュータのパーツの多くは、そんな売春婦としての2重生活を送る年季奉公の労働者たちの手によってつくられているわけだ。ペナンでは、現代の性労働いや性奴隷と年季奉公の労働が同時に重なり合っているのだ。
私は現地でさまざまな背景をもつ人たちに日本人、韓国人、中国人、その他についてどう思うのか聞いてみた。聞いた相手にはインド系もいれば、中国系、マレー系、バングラデシュ系の人もいた。答えは予想どおりだった。
好きでない人一覧:韓国人、中華人民共和国の中国人(台湾ほかを除く)、インド人、アラブ人
好きな人たち:日本人、欧州人、アメリカ人。私は多くの国々で多くの人たちに聞いてきたが、答えがそれほど異なることはない。
アジア全体で日本人は憎まれているという話は虚構である。日本はアジアのなかで最も大きな敬意を集める国の1つである。
われわれはペナン戦争博物館を訪れた。「博物館」とは甘い用語である。この場所は、紛れもなく反日感情を醸成する神殿である。
ペナン戦争博物館の展示:日本人はギロチンを使わないことで知られていた。
ここは幽霊屋敷の様相を見せており、ペイントボールコースの顔も見せている。ブキト・ハントゥ「亡霊の丘」は、アジアで最も亡霊が姿を見せることが多い10カ所の1つとされている。
この幽霊屋敷には、木の上にいる巨大な恐ろしい化け物と、不気味な物語と、その他もろもろが揃っている。
ここには、リトルボーイにもファットマンにも似ていない実物大の原爆がある。巨大な手榴弾があり、その他諸々があり、現代のDVDプレイヤーから取り出した回路基板を貼り付けたカミカゼパイロットの自殺用ベストも揃っている。
カミカゼ「自殺用ベスト」
この「自殺用ベスト」の上に掲げられている説明文によると、カミカゼは1941年12月10日にプリンス・オブ・ウェールズとレパルスを破壊したという。真実は、英国艦隊は日本軍の通常の空襲によって破壊されたのであり、カミカゼによるものではない。
そしてカミカゼ「特別攻撃隊」は、戦争が終局に近づく1944年まで決行されることはなかった。
この博物館は同じくらいの力を注いで、日本軍が性奴隷を連行したという虚構の主張を繰り出している。誰か日本人がこの構図に対して立ち上がり、「すべてウソだ」と主張すれば、右翼の歴史修正主義者、好戦的国家主義者、あるいは単純な変人のレッテルを貼られることになる。
ペナン戦争博物館に残る「原子爆弾」
ベトナムを訪問して戦争博物館を見学するアメリカ人たちは――私もそうだったが――米軍およびアメリカ合衆国がここでどう描かれているかを見て衝撃を受け、悲嘆にくれ、怒りさえ覚える。一方で日本人はこういった日本についての虚構――真っ赤なウソばかりではないか――に対し同じような感情を覚えるわけだが、そうした日本人は歴史修正主義者と呼ばれてしまうのだ。
博物館長のジョハリ・シャフィエ氏は、「9月に北京で開催された学術会議に招待された」とわれわれに誇らしげに語った。北京で彼が招かれたのは「国際第2次大戦記念館協会」だという。そこの日程に含まれていたのは、「中国人民対日本侵略軍抵抗記念博物館、マルコ・ポーロ橋(盧溝橋)」訪問だったという。
北京にある中国の情報作戦機関の訪問者名簿
シャフィエ氏は口を極めて「日本人はペナンの女性を強姦し、性奴隷にした」と罵った。
シャフィエ氏は売春婦の重みで傾きそうな島、2015年のいまも性奴隷がそこかしこにいるペナンの島で、DVDプレイヤーの回路基板を用いたカミカゼ「自殺用ベスト」を展示する男である。
マレーシア全体、そのなかでもペナンは現在進行形の人身売買で悪名高いが、彼が非難するのは日本ばかりだ。私は自分の目でそれを目撃した。
中国は、この情報戦を今後の対日本の熱い戦争の前哨戦として利用している。立ち上がるべき時はいまだ。日本は積極的に、中国がばらまく憎悪に対処すべく真実を広めるキャンペーンに投資するべきだ。
更新:11月22日 00:05